No.0069

■■■■■■■ グリーンウイングスジャパン・ニューズレター ■■■■■■■

———————————– 2011.05.01号【No.0069】第17~19週目

発行元 株式会社グリーンウイングスジャパン < http://www.greenwings.jp/ >

GWJ————————【 5月上旬 】———————–GWJ

5月1日(日)スズランの日
5月4日(水)みどりの日
5月5日(木)端午の節句 菖蒲湯 こどもの日
5月8日(日)母の日
5月11日(水)~16日(月)第13回 国際バラとガーデニングショウ(埼玉県・所沢)
5月26日(木)~31日(火)マミフラワーデザイン展2011(東京・松屋銀座店)
6月14日(火)JFMA 国際セミナー「消費者の目線に立った花売り場の作り方」
6月19日(日)父の日

●【二十四節気と雑節】
立夏5月6日(金)
●【六輝(六曜)カレンダー】http://zexy.net/man/rokki/cal/2011/
大安は、5月4日(祝・水)、22日(日)、 28日(土)、6月26日(日)7月18日、24日

GWJ———————【 ニュースIndex 】———————–GWJ

◆ 日比谷花壇の「母の日」アンケート 花を贈る人、約6割に増加
◆ 2010年の市場取扱高4086億円 やや増加で持ち直す【花卉園芸新聞5月1日】
◆ 中央拠点市場 施設整備「計画なし」 実効性に疑問の声 【日本農業新聞4月】20日】
◆ 東日本大震災について~野菜、果樹、花き生産についてのQ&A~ が更新されました
◆【資料】国土交通省「国土の長期展望」2月に出している中間とりまとめについて

GWJ——————【 ミニ・クリップIndex 】——————-GWJ
□ 英国ロイヤルウエディング 花はシェーン・コナリーさん
□ 関西花消費拡大委員会 独自のポスターを制作 端午の節句、母の日の販促へ
□ 新しく母になったあのひとへ カーネーションを贈りましょう 関西発の取り組み
□ フローリスト・レビュー ファイナリスト7名選出
□ 人と人のつながりの大切さを再確認 JFMAニュース3、4月合併号 小川会長の巻頭言
□ 「花は贅沢品ではない」昭和16年夏に発行された園芸書のメッセージ
□ ホテル、営業縮小相次ぐ 値下げでも客足戻らず 【日経新聞28日】
□ カインズホームのオリジナル商品(ペチュニア)好調 リーダーの決断
□ 東京・八王子で花のチャリティイベントが行われました「花と緑のまちづくりフェア」
□ 被災地のカーネーション農家の苦悩 【日経新聞5月1日】
□ 全国の産地の被災情報を仲卸会がまとめる 震災前の雪害や重油切れによる凍結の被害も
□ 花業界支援の広がり 花キューピット、オークネット、日比谷花壇【花卉園芸新聞5月1日】
□ 「花の力プロジェクト」代表に金藤公夫氏 7月にイベントを企画
□ 柳生真吾さんらの「スイセンプロジェクト」動き出す
□ 尼崎の畑に花文字 福知山線脱線事故から6年
□ 「ひまわり」で土壌の浄化、「菜の花」を手にデモ行進 原発反対・復興のシンボルに
□ 日経新聞「春秋」コラムに輸入の菊の話
□ 市場も節電を 夏に臨時休業増案 東京都中央卸売市場の一部卸で
□ 花を売ることとは、どういうことか。岐阜大学福井先生
□ 農業高校の未来は日本の農業の未来 農業高校で少人数ゼミ 【日経新聞4月25日】
□ 「ゴッホのチューリップ」ってどんな花ですか?
□ 桜守 佐野藤右衛門さんの本「桜のいのち庭のこころ」
□ マンガ「園芸少年」(森永あい)コミックスで発売 おススメです
□ 元キャンディーズの田中好子さんが21日に死去 葬儀が行われる
□ 若い農業者と生活者を結ぶ雑誌「アグリズム」休刊へ
□ 新潟県 球根卸 株式会社東樹園 倒産し任意整理へ

GWJ————————【 ニュース 】————————–GWJ

◆ 日比谷花壇の「母の日」アンケート 花を贈る人、約6割に増加
http://www.hahanohi.com/enquete/

日比谷花壇の運営する母の日限定ポータルサイト「母の日コム」では、今年もアンケートを実施した。アンケート名は、「母の日コム 贈る人もらう人アンケート」。2月23日から3月31日まで実施。贈る人2005人、もらう人410人の有効回答を得た。調査の結果、今年の母の日に花を贈ると回答した人は59%と、昨年の38%から約2割増え、同調査開始以来初めて約6割になった。
この調査は、さまざまな質問をしていて興味深い。
母の日の準備をするのは約半数が約1週間前から前日まで。2週間前から1週間前までの人は23%,当日にあわててという人は5%。おばあちゃんや、親戚のおばさん、恋人のお母さん、妻にもプレゼントを贈る人が半数ほどいる。さまざまなアプローチを考えることができそう。
もらう側の声として、「モノ」37%よりも「一緒に過ごす時間」41%のほうが上回った。やってほしいことには、圧倒的に「食事の用意」、次いで「家の掃除」。
予算は、09年、10年と横ばい。3000円以上5000円未満が43%。
もらってうれしい花、贈りたい花は、ともに長く楽しめる鉢物やプリザーブドフラワーが1位、2位。次いでもらう側が24%のカーネーション。

● 駆け込み需要 今年の母の日ギフトは、順調に推移している 小川先生のメッセージ
http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=1675#sequel

● 【日本農業新聞4月19日】  切り花上げる  補充買いで動き

低迷していた切り花相場が反転した。主要切り花の全国指標である「日農平均価格」は18日、8営業日ぶりに上げた。週末に好天に恵まれたとろも多く、バラを中心に小売店で補充買いをする動きが強まった。ただ、全般的に消費の動きは鈍く、「この相場回復は一過性」(大田花き)と、楽観視できない情勢だ。
18日の切り花の日農平均価格は1本48円と前市より3円高かった。仏花や葬儀に使われる菊類以外は、「母の日」(今年は5月8日〉のプレゼント定番である力ーネーション類、バラ類、ユリ類、草花類の価格は、前市より4~11円上げた。「冬の品目が減少しており、バラやトルコギキョウなどへの引き合いがあった」(同社)。
同日のスタンダード、スプレイ合わせたバラ類は1本63円、トルコギキョウが154円とそれぞれ11円、10円上げた。カーネーション類は、「母の日」の需要で先週から相場がやや改善。「11日ぐらいから徐々に動き出している」(なにわ花いちば)という。スプレイカーネーションは前市より5円上げて41円となった。
切り花相場は例年、入学式などの学校行事が落ち着き、「母の日」の需要が動き出す4月中旬まで弱含みの傾向にある。今年も4月初旬から相場は下降。18日から「母の日」まで相場が上昇基調になるかについては、不透明とみる関係者が多い。
東日本大震災以降、自粛ムードなどで切り花消費は鈍化。各卸では相対取引を強め、せり相場の下落を防ぐなどの対応をしており、「引き合いは決して強いわけではない」(なにわ花いちば)、「母の日の注文はまだそれほどでない。本格化するのは直前の1週間くらいではないか」(大田花き)など、慎重な見方をする卸売会社が多い。

● コロンビアは、このひと月近く、大雨が続いており、各地で洪水が発生している。

昨年も集中豪雨と洪水に襲われた南米コロンビアでは、数週間にわたる雨によって洪水が起きている。今後にも影響がありそうだ。
http://www.47news.jp/movie/international_national/13_12/
http://www.cnn.co.jp/world/30002510.html

————————————————————–
◆ 2010年の市場取扱高4086億円 やや増加で持ち直す【花卉園芸新聞1日】

2010年の花きの市場取扱高は、前年に比べてわずかに増加した。【花卉園芸新聞5月1日】
社団法人日本花卉卸売市場協会(樋口利一会長)の「2010年花卉市場流通調査」が発表された。これによると、同協会の協会員137社の合計取扱高は約4086億円。前年は、4050億円だった。結果として、やや増加(100・9%)となり、わずかに持ち直した。天候不順などで切花卸価格が高騰したことが原因。鉢物は野菜苗が好調を持続。一方で花苗は数量を増やすも売上高、単価ともに下落。
10年の協会員は整理統合や退会などで6社減、137社となり、そのうち取扱高が前年以上を確保できたのは90市場。
上位10社は、1、大田花き103.5% 2、FAJ 99.2% 3、なにわ花いちば 102.1% 4、豊明花卉96.4% 5、兵庫県生花大阪営業所 98.8% 6、埼玉園芸市場 97.4% 7、鶴見花き 104.4% 8、名港フラワーブリッジ 新設 9、福岡花市場 104.2% 10、姫路生花卸売市場 109.4%。
トップの大田花きは283億円。200億円市場は、全国に2社。100億円以上は7市場。これは前年と変わらず。10億円未満は50市場。上位17位でシェア半分という記録になっている。
09年の会員市場143社取扱高は、08年比96.4%ダウンだった。1998年のピーク時(188市場)の5675億円からみると3割が消えているというのが現状。

● 東京都の5市場各卸売会社の【一昨年(21年度)の】総合財務諸表(発表は今年の3月末)
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/press/22/3_28.html
東京都でも09年は減益減収だった。(10年は持ち直した)

● 東京都中央卸売市場花き部の3月の結果
http://www.shijou-tokei.metro.tokyo.jp/asp/mreport.aspx?mode=3&y=2011&m=3&l=11
●3月の家計調査の結果 切花22%減
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=6356
「切り花22%減 苦戦したのは、外食や切り花。外食が低迷したのは、震災の影響による店舗被災や、計画停電による営業時間の短縮などが影響したとみられる。3月の「春彼岸」が重なった切り花は、支出金額が前年同期比22%減と大きく落ち込んだ。」

————————————————————–
◆ 中央拠点市場 施設整備「計画なし」 実効性に疑問の声 (04月20日)
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/sijyo/110331.html

【日本農業新聞4月20日】
農水省が3月、「中央拠点市場」に選んだ19青果市場の開設自治体の全てが、拠点市場としての機能を発揮するための施設の整備を計画していないことが、日本農業新聞の調べで分かった。市場を開設する自治体は、拠点市場になることの利点が分かりにくいことや、地域の流通実態に合っていないことなどを理由に挙げる。農産物流通の効率化を目指す拠点市場構想の実現に向けて同省には、流通現場の意見を踏まえた対応が迫られそうだ。

中央拠点市場は、昨年10月に決めた第9次卸売市場整備基本方針で打ち出した。産地が拠点市場に出荷を一元化し、拠点市場が周辺市場に配送することで、大型産地の農産物を効率的に流通させるのが狙い。同省は11年度、拠点市場の推進に向けて他市場との物流連携への通信ネットワークや駐車場整備などにかかる補助金を増額した。
調査は4月6~8日に実施。19市場を開設する14自治体に整備に取り組む考えを電話で聞いた。14自治体全てが「当面はない」と回答し、少なくとも年度中は中央拠点市場としての整備は行わないとの考え方を示した。
理由として「農水省の構想で何が変わるかが見えない」(大阪市)、「地域の流通実態に合っていない」(奈良県)など実効性を疑問視する声が相次いだ。「拠点市場は毎年見直されるため、複数年にまたがる整備はやりづらい」(京都市)との意見もあった。市場の再整備に取り組む自治体からは「拠点の考え方と再編計画とが合わない」との声も聞かれた。
大田、築地、淀橋、北足立の4市場が拠点に指定された東京都は、「大田市場は必要な施設を整備したばかり」とした上で、「他の市場では当面、拠点のための整備は考えていない」と答えた。
同省は「施設整備は複数年かけて行うもので、来年度以降に期待したい」としている。

産地 静観の構え 転送コスト不明確

農産物の市場流通の効率化へ農水省が推進する「中央拠点市場」に対し、農産物を出荷する産地の受け止めは現段階では、冷静だ。産地の多くが販売戦略を考慮しながら、すでに独自に出荷先の市場の集約化を進めているからだ。今回選ばれた19の中央拠点市場と重ならないケースも多い。
リンゴを全国の青果市場に出荷するJA全農あおもりは、拠点市場として19市場が決まったことに対して「今すぐ出荷体制を見直す考えはない」と話す。全農あおもりが、リンゴの販売戦略で重点を置く卸売会社は全国で約50社。「今回の拠点構想は、農産物を効率的に運ぶという物流中心の考え方」と指摘。リンゴを安定販売するには卸売会社の販売力や各市場の分荷機能など、さまざまな要素で出荷市場を選んでおり、「現状のほうが良い」と受け止めている。
出荷市場の集約化を進めるJA全農ふくれんは、現状では拠点市場を念頭に置いた出荷市場の見直しを予定していない。全農ふくれんは3年前から市場の絞り込みに着手し、2010年度末現在で、取引する卸売会社は76社で3年前に比べて30社減らした。「各産地とも、もっと早い段階から出荷体制を見直している」と拠点構想の遅れを指摘する。
産地側のメリットが見えにくいことも消極的な要因の一つだ。
農水省が進める中央拠点市場構想は、大産地が拠点市場に荷物を出荷すれば、その後の周辺市場への転送などは拠点市場が担う仕組みをイメージする。このため「産地側は出荷市場の集約化ができるため、物流費の削減が可能となる」(同省)と見込まれるが、「実際に転送した場合に誰がコストを負担するのか不明確で、容易に拠点に荷物を集約できない」(JAあいち経済連)との声がある。
またJA全農いばらきは「例えば手数料が安くなるなど、何らかのインセンティブ(動機付けの対策)がないと、拠点市場に荷物を集約することは難しい」と話す。
ホクレンも「産地主導型で拠点市場構想が推進されるとは考えにくい。集荷する市場の姿勢が変わらなければ、現状のままだろう」と語っている。

〈解説〉 「将来」が見えない

農水省が、中央卸売市場改革の目玉としている「拠点市場」構想が、早くも初年度からつまずいた。拠点市場に指定された19の青果市場の開設自治体のいずれもが拠点市場に沿った整備計画を持っておらず、産地側も今のところ静観の構えをみせている。背景にあるのは将来の流通ビジョンがみえない拠点市場構想への戸惑いだ。
「中央拠点市場」構想は、大規模産地からの大量の荷を中核市場を経て周辺市場に配送するというもの。だが実際に制度がスタートしてみると、市場開設者からは「これで何が変わるか分からない」(大阪市)と困惑の声が相次ぐ。
構想を実現するためには卸売市場間でのネットワーク形成が不可欠。だが、同省が示しているイメージだけでは、「どのような市場とネットワークを組めばいいのかが分からない」(鹿児島市)と、開設者は頭を悩ませている。
また出荷する産地も戸惑う。市場出荷への規模が大きな産地ほど、卸売市場を絞り込む重点市場の集約が進んでいる。拠点から外れた中央市場や地方市場を販売戦略上の重点市場と位置付ける産地は多く、この市場と同省が指定した拠点市場とが必ずしも一致していない。
「市場側が拠点のメリットを打ち出さない限り、わざわざ拠点市場に荷物を集約しない」(東日本の産地)というのが産地の本音だ。
農産物流通に詳しい東京農業大学の藤島廣二教授は「拠点市場を取扱数量などの数的な基準だけでみたことがそもそも問題。市場の機能や役割を含めて拠点市場構想を再度考える必要がある」と指摘する。
このままでは、従来の市場の流通体制と何ら変わらない可能性もある。流通効率化を目指す同省は、改革初年度から大きな課題を抱えたといえる。(以上日本農業新聞4月20日の記事)

————————————————————–
◆ 東日本大震災について~野菜、果樹、花き生産についてのQ&A~ が更新されました

農林水産省は、4月22日に稲の作付制限地域が設定されたことを踏まえ、今後の野菜、果樹、花きの生産に関してご心配の声が寄せられていることから、「野菜生産についてのQ&A」、「果樹生産についてのQ&A」、「花き生産についてのQ&A」を作成、発表した。
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/kaki_seisan_qa.html

【出荷と作付について】

Q1 花きについては、作付制限や出荷の際の放射線量に係る調査は行わないのですか。
A1.稲以外の作物については、作付制限は行いません。
花きは、野菜等食料品のように食されることによる内部被ばくとは異なることから、放射線量に係る調査も、現在実施していません。
(注)放射能の被ばくには内部被ばくと外部被ばくがあり、花からの被ばくは外部被ばくといいます。

Q2 計画的避難区域では、花きの作付はできますか。
A2.計画的避難区域では、概ね1ヶ月を目途に計画的避難を実行するとされており、実態として、作物の作付は困難になると考えられます。

Q3 緊急時避難準備区域では、花きの作付はできますか。
A3.稲以外の作物については、作付制限は行いませんが、緊急時避難準備区域では、自主避難や区域に立ち入る際に常に緊急時に屋内避難等ができるようにすることが求められていることから、稲以外の作物を作付ける場合にも、一定の制約を受けることがあるのではないかと考えられます。

Q4 原発の周辺地域で農作業を安全に行うためにはどのような点に留意したらよいですか。
A4.避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域以外では農作業に制約はありませんが、原子力安全委員会の緊急技術助言組織の助言によると、福島第一原子力発電所の周辺地域では、耕うん等の農作業を行う際に、放射性物質が含まれる可能性のある粉じんの吸入や土壌・水との接触をできるだけ避けるよう注意することが望ましいと考えられます。
このため、原発の周辺地域では、以下のような点に注意して作業するようにしてください。
[1] マスク・ゴム手袋・ゴム長靴等を着用すること。
[2] 農作業後に手足・顔等の露出部分の洗浄を励行すること。
[3] 屋外での作業後、屋内作業を行う場合には、服を着替えるなど、ちり、ほこり等を持ち込まないようにすること。

【賠償について】

Q5 計画的避難区域及び緊急時避難準備区域において、花きの作付ができない場合、賠償の対象となりますか。
A5.区域の性格上、計画的避難区域では、花きの作付が困難になるほか、緊急時避難準備区域でも、花きの作付には一定の制約がかかることが想定されます。原子力損害賠償紛争審査会で提示された1次指針では、政府の避難等の指示があったことにより、農業等の事業の継続に支障が生じた場合は、こうした営業損害は損害と認められるとされており、区域の設定により作付ができない場合には、適切な賠償が行われるものと考えています。

Q6 風評被害で価格が下落し、所得が減少したことについては、賠償の対象となりますか。
A6.今回の原子力発電所の事故によって生じる損害については、一般論として、事故と相当の因果関係が認められるものについて、原子力損害の賠償に関する法律に基づき適切な賠償が行われることになります。
なお、風評被害に係る賠償の範囲は、原子力損害賠償紛争審査会において、今後検討されることとなります。(以上、農水省のHPから)

————————————————————–
◆【資料】国土交通省「国土の長期展望」2月に出している中間とりまとめについて

国土交通省が2月に出している「国土の長期展望」中間とりまとめ。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kokudo03_sg_000030.html

● 震災の前と後で、何が変わり、何が変わらないのか? 震災の前と後で、何を変え、何を変えないでいくのか?こうした問題がすべての人に向けられている。
人口減少と高齢化は震災前とあととで変わらない。過疎化、都市集中が進む。私たちの仕事は人々の暮らしと密接に関わっています。
GWJ——————【 ミニ・クリップ 】——————-GWJ

□ 英国ロイヤルウエディング 花はシェーン・コナリーさん

● BBCが総力を挙げて制作した 英国ロイヤルウエディング 1時間10分の圧巻の動画です。
http://www.youtube.com/watch?v=53UaRWI1Vh4

4月29日の大安の日に、英国ではウエストミンスター大聖堂で王室皇太子のロイヤルウエディングが行われた。「ケイトさん」の愛称で親しまれたキャサリンさんは父親に付き添われ、アイボリーホワイトのウエディングドレス姿で式場に。ドレスは高級ブランド「アレキサンダー・マックイーン」の英国人デザイナー、サラ・バートンさん制作で、イングランドなど英国の主要地域を象徴する4種類の花模様があしらわれた。4種類とは、バラ、アザミ、コメツブツメクサ(シャムロック)、ラッパスイセン。それぞれ、イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズを象徴する植物。
英国で庶民(非貴族)が王妃予定者になるのは、1660年のヨーク公妃以来、約350年ぶり。ウィリアム王子の母親であるダイアナさんは、地方の貴族の家系だった。結婚パレードには沿道に約100万人の人が詰めかけた。
http://ukinjapan.fco.gov.uk/ja/visiting-the-uk/about-uk/customs-traditions/national-flowers

花を担当したのは、王室御用達のフローリスト「Shane Connolly」さん シェーン・コナリー氏。皇太子とカミラさんの婚礼装花などを手掛ける。世界が注目するロイヤルウエディングという重圧のなかで、王室の婚礼というのではなく、「あくまでもひとつの家族の結婚式として二人の個性を大切にする」と話している。素晴らしいデコレーター、フローリスト。
イギリス国内は経済状況も決してよくなく、王室の婚礼に無関心、あるいは、経済損失を指摘する人々もたくさんいるなかでの婚礼。国民感情や世論に対するさまざまな配慮が、式にもあらわれていた。すみずみまで無駄をそぎ落とし、清楚さや品格を感じさせる本物を集めた。コナリーさんも大きな重圧の中での仕事だったはず。聖堂内の緑を基調とした自然で落ち着いたデコレーションやワイヤリングでしっかりと作られたスズランのブーケはケイトさんにとても似合っていた。コナリーさんは、ジュエリーのように花をスタイリングすると本に書いている。

● シェーンさんは、花とフラワーデコレーションに関する本を何冊か出版している。単に花をデザインするだけでなく、花言葉などを研究しスタイリングの意味を深めようとしてきた。その成果がロイヤルウエディングの花にも生かされている。シェーン・コナリーさんのウエディングの本(1998年初版)。
http://www.amazon.co.jp/Shane-Connollys-Wedding-Flowers-Connolly/dp/1840911476/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1304198836&sr=8-1

○ 英国のロイヤルウエディングの感想。
http://thecollect.exblog.jp/
○ 女性は見ているところが違いますね。
http://www.officiallyjd.com/archives/14653/

○ 婚礼で使われた大きな木々や草花は、さまざまな施設に寄付される。
http://weddingsutra.com/blog/index.php/2011/04/28/meet-the-royal-wedding-florist-the-official-photographer/

ケイトさんが持ったブーケの花にはすべていろんな意味が込められています。
スズランは幸せの復活、ヒゲナデシコ(スイートウイリアム)は、勇敢さ、ヒヤシンスは、永遠の愛を、アイビーと銀香梅(マートル)は両方とも愛と結婚を意味しています。
銀香梅は英国王室の結婚には縁の深い植物です。ビクトリア女王がドイツ訪問の際にアルバート皇太子の祖母からいただいた花束にこの銀香梅が花と一緒に束ねられていました。ビクトリア女王の長女のビクトリア王女が1858年に結婚した時に最初の銀香梅が運ばれました。銀香梅の白い花も花嫁の清らかさを示しています。その後、英国王室の婚礼には欠かせない植物となっています。
http://www.cbsnews.com/8301-32917_162-20058529-10391716.html?tag=contentMain;contentBody
○ シェーンが男だったからといってがっかりしないで・・・というブログ。花材が出ています。
http://sweetpeafloraldesign.blogspot.com/2011/04/royal-wedding-florist-shane-connolly.html
○ そのほかコナリーさんについて
http://www.people.com/people/package/article/0,,20395222_20484875,00.html
http://abcnews.go.com/International/Royal_Diary_Blog/prince-william-kate-middleton-royal-wedding-florist-shane/story?id=13459030

————————————————————–
□ 関西花消費拡大委員会 独自のポスターを制作 端午の節句、母の日の販促へ
http://on.fb.me/ierNun

【花卉園芸新聞5月1日】
大阪鶴見花き地方卸売市場に入場する、卸売会社、仲卸業者、買参人の各代表で組織する関西花消費拡大委員会(宮本雅行委員長)は、端午の節句(菖蒲の節句)と母の日用の2種類のポスターを制作。買参人や関西の市場や生花販売業者に広く頒布している。
このポスターは制作に企画会社3社を入れてコンペティションを実施して選ばれた。
母の日用は女性向けにおしゃれなタッチのイラスト。「お母さん」の数だけ受けた愛。「ありがとう」の数だけ贈る愛。というコピー。
菖蒲のほうは、「息子よ、しょうぶの時が来た」というかわいい鬼と子どものイラストがかわいらしい。いままでにない、本格的な活動。

関連:http://www.hanayasan.com/87/?p=753

————————————————————–
□ 新しく母になったあのひとへ カーネーションを贈りましょう 関西発の取り組み
http://on.fb.me/lk6kzA
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=6047
http://mpsjapan-blog.jugem.jp/?eid=1021

「新しく母になるあの人へ」・・・昨年10月、なにわ花いちばの「なにわカーネーション部会」で「子どもを産んで新しくお母さんになった人に花を贈るコンセプト作り」を打ち出し取り組みがスタート。これをうけてなにわ花いちばでは、カーネーション部会や小売店など協力して「新しく母になる方」「出産」を切り口にしたカーネーションの新しい贈答シーンを提案する。
既に、昨年末よりカーネーションの生産者が手分けして地元の産婦人科や生花店、美容室などにポスターを配布。夫や友人などターゲットに「カーネーションをプレゼントしてみては」と提案している。

●なにわ花いちばは、長期的に花育に取り組んでいる。チューリップを育ててて卒業式に
http://ameblo.jp/naniwa-flower/entry-10873485398.html
フェースブックからも発信中
http://on.fb.me/mOrx0O

※ 女性と母性をむすぶコンセプトで3年前から始まったユリのプロモーションがある。オランダ国際球根協会と花きゅーぴっとが取り組むユリのプロモーション「Happy Mother To Be」。がんばっているすべての女性にユリの花を贈ろう。
http://www.kyukon.info/happymothertobe.html
http://www.i879.com/products/catalog/categoryId/nl00

————————————————————–
□ フローリスト・レビュー ファイナリスト7名選出
http://floristreview.blogspot.com/2011/04/blog-post.html

雑誌「フローリスト」が準備を進める新しい花のデザインコンテスト「フローリスト・レビューは三次審査を終えてついに7名のファイナリストが選出された。第三次審査は各選手が東京のスタジオで作品を持ち込み制作し、プロのカメラマンが撮影、その後花業界以外の審査員による写真審査というものだった。公式ブログによると審査員は、UA(歌手/speedstar records)、森本千絵(アートディレクター/goen°)、竹本英高(株式会社ノバレーゼ取締役営業本部長兼セールスプランニング局長 元ゼクシィ(リクルート)編集長)、Steve Vercammen(ベルギー器メーカー/D&M depot best online casino ディレクター)、三嶋康次郎(雑誌「デザインノート」編集長)の各氏。
選出された7名は、6月18日土曜日に行われる、フローリスト・レビュー・ザ・ショウにて、インスタレーション展示とライブデモンストレーションにより競演する予定。

————————————————————–
□ 人と人のつながりの大切さを再確認 JFMAニュース3、4月合併号 小川会長の巻頭言

● 震災ではっきりしたことはふたつ。自然災害の歴史を見ればいつかは起こることとして受け入れなければならない。二つ目は、いつでも安価に入手できると思っていたエネルギーや水、部品などが物流や送電のパイプラインが寸断されれば止まってしまうのだということ。過度の相互依存システムは突発的な災害に脆弱であることを見せつけられた。今後は経済効率とリスク分散のトレードオフが進む。
● 花の業界としてはどのように対応していくべきか。生産の現場では、エネルギーの節減をさらに進めること。原油や電力の価格上昇は目に見えている。(ただし花業界の分散型システム(地産地消)が成功するかどうかはわからない)
● 原発の問題もあり、輸出(海外の消費者)には頼れない面が見えた。やはり国内の消費者、仲間が重要だということが再認識された。コミュニティの大切さも知った。人々のつながりを支え続けなければならない。花を通じて貢献していきたい。

————————————————————–
□ 「花は贅沢品ではない」昭和16年夏に発行された園芸書のメッセージ
http://dl.dropbox.com/u/8221393/idahideaki-hana.htm

昭和16年(1941年)夏に発行された園芸書です。著者は井田秀明さん。今からちょうど70年前になります。 本のタイトルは、誰でもできる「花の作り方」というものです。昭和16年の12月に日本は真珠湾を攻撃し、太平洋戦争に突入していきます。そんな時代に花を作りましょう、と、強く勧めたこの井田秀明さんのメッセージの意味を考えてみたいと思います。
本が出たのは昭和16年の夏。 昭和12年に盧溝橋事件から日中戦争が始まっています。そして昭和16年(1941年)の12月8日に真珠湾攻撃が始まり徐々に戦局が悪化していく時代背景があります。

真珠湾攻撃から4日後の12月12日に【「スイカ、落花生などと一緒に、「花卉(かき)」を不要不急の作物に指定した】 【この時から栽培制限が始まり、43年には一層厳しい禁止令が出て、花作りは出来なくなった。国家総動員法に基づく統制の1つだったという】
参照:http://fujihara.cocolog-nifty.com/tanka/2005/05/post_e097.html

————————————————————–
□ ホテル、営業縮小相次ぐ 値下げでも客足戻らず 【日経新聞28日】

プリンスホテル・箱根小涌園系、宿泊を一部休止 帝国ホテル、飲食時間を短く

● 東日本大震災後の客数の大幅減を受け、大手ホテルが宿泊や飲食施設などを対象に営業体制の縮小に動き始めた。プリンスホテルや藤田観光は一部ホテルの宿泊業務を休止し、帝国ホテルは施設内の飲食店の営業時間短縮などに踏み切った。大手ホテルが宿泊業務を休止するのは異例。値下げも始めているが、外国人客やレジャー客の需要減による稼働率の低下は歯止めがきかず、業務絞り込みにまで踏み込んだ。
● 洞爺パークホテル天翔は5月から1年間をメドに休業
● 復興需要が生まれている仙台など一部を除き、都市ホテルの稼働率は全国的に下落。日本経済新聞社の調べでは3月の都内の主要19ホテルの平均客室稼働率は、49.8%と過去20年間で最低。稼働率急落を受け、各ホテルは正規料金の6割引きなど大幅な値下げで需要喚起に取り組んでいるが、4月に入っても稼働率は低迷したままだ。
● プリンスホテルはグランドプリンスホテル高輪(東京・港)の宿泊業務をすでに休止しており、再開するのは企業の株主総会需要が高まる6月9日。客室数414室と同社の基幹ホテルの一つだが、震災で外国人客らが急減。レストランや宴会場の営業は続けるが、宿泊客はグランドプリンスホテル新高輪など隣接するグループホテルに集約する。同社は品川プリンスホテル(同)でも、計4棟のうち1棟で宿泊業務のみ休止した。
● 藤田観光は神奈川県箱根町のホテル「箱根小涌園ユネッサンイン」を当面休業する。再開時期は未定で「箱根の観光客が回復するまでは難しい」(同社)という。顧客には近隣で運営する箱根ホテル小涌園に誘導する。ホテルオークラ東京(東京・港)も別館の宿泊業務を事実上休業している。
● 地方都市でもホテル休業の動きは広がっている。カラカミ観光は北海道で運営する5ホテルのうち「洞爺パークホテル天翔」(洞爺湖町)を5月、「ホテルエメラルド」(釧路市)を7月から1年間休業する予定だ。
● 施設内のレストランの営業やサービスを見直す動きも相次ぐ。震災後もレストランのフル営業を続けていた帝国ホテル東京(東京・千代田)は4月中旬からタワー館の地下1階にあるフランス料理店の営業を土日のみにしたほか、24時間対応だったルームサービスも5月末まで午前0時~午前6時は休止する。
● 外資系でもヒルトン東京(東京・新宿)が5月15日まで鉄板焼きレストランを休業。ビュッフェレストランも同日まで、ゴールデンウイーク期間以外は休業する。シャングリ・ラホテル東京(東京・千代田)もスパ施設で4月末まで週に2日間休業日を設けた。

※ホテルの業務縮小が続く。外国人客がほとんどいなくなり、東京ではディズニーランドが休園しているのも大きかった。企業の宴会自粛傾向は今も続いている。花の業務に関わる百貨店もホテルも縮小。契約切りなど雇用の問題にもなってきている。一方で、婚礼は数があまり減っていないため婚礼に力を入れるホテルが増えている。問題は、「いつまでこの悪い状況が続くのか?」株主総会の行われる6月。あるいは、新聞では夏をめどに景気が回復基調に戻るのではないか、という記事が複数伝えられている。

● 日経MJ4月25日号では、節電の夏をどう涼しく過ごすか、人々がライフスタイルを変えることに積極的になっていると伝える。家の中にいるなら電気を使わないボードゲームや読書。日中外に出ればクーラーは要らない。アウトドアを楽しむ。庭しごとはすごくよいアイデアだ。また、売れているものとして、圧力鍋、眼鏡(コンタクトレンズより扱い楽)、無洗米、自転車などが見直されてる。クーラーを使わないために、扇風機が早くも売れ出しているという。

————————————————————–
□ カインズホームのオリジナル商品(ペチュニア)好調 リーダーの決断
http://www.cainz.co.jp/images/news/pdf/release_110409.pdf

カインズホームオリジナルのペチュニア「プリティマッチピカソ」が好調に売れているという。新聞やテレビCMを展開し、4月7日から全店舗で販売。10万鉢を販売予定。
商品開発から販売促進の方法まで若き社長の土屋氏の決断があったという。
http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=1667#sequel

————————————————————–
□ 東京・八王子で花のチャリティイベントが行われました「花と緑のまちづくりフェア」
http://ameblo.jp/hachiouji8/entry-10871485061.html

4月23日(土)と24日(日)の両日、東京・八王子で「花と緑のまちづくりフェア」が行われ、お花屋さんと生産者が協力してブースを出展し、福島県産などチャリティの花を販売した。今年は初日が大雨になったため、大変だったが、二日目にはとてもよい天気となり、多くの人が義捐金つきの野菜や花を購入された。
http://www.htmnet.ne.jp/local_info/topics/detail/1240211_21022.html
http://kiribana.exblog.jp/15860060/
http://hachioji.happy-town.net/t_event/00011022.html
http://blue-blossom.jugem.jp/?eid=2090
http://www.ffjo.jp/ivent_report/455
http://ameblo.jp/kafu-29/day-20110425.html
http://hananostudio2.com/blog/2011/04/post-36.html

————————————————————–

□ 被災地のカーネーション農家の苦悩 【日経新聞5月1日】

カーネーション農家苦境 宮城・名取、4割が出荷停止に

『東日本大震災の津波による塩害で、東北一のカーネーション産地、宮城県名取市の栽培農家の約4割が、8日の「母の日」を前に出荷停止に追い込まれている。温室に流れ込んだ汚泥からは成長を阻害する物質も見つかり、来年に向けた作付けも見送らざるを得ない状況だ。
「これではとても売り物にならない」。4月下旬、潮のにおいが漂う温室内で、市花卉(かき)生産組合の藤井俊悦組合長(61)は泥まみれのカーネーションを眺め、肩を落とした。足元には津波で流れ込んだ厚さ約10センチの汚泥が乾き、れんがのようにひび割れていた。
市農政課によると、市内でカーネーションを栽培する農家20戸のうち小塚原地区の8戸が被災。藤井組合長によると、温室内に汚泥やがれきが流れ込み、温室自体が流された農家もある。共同利用していた苗の保存用の冷蔵庫なども使い物にならなくなった。
カーネーションは比較的塩害に強く、浸水した温室でも一部は花を咲かせたが、同地区では引き取り手がなく出荷を停止。県の調査で温室内の汚泥から根腐れの原因になる硫化鉄が見つかり、母の日を過ぎた5月ごろから行う株の植え替えも見送ることになった。
同地区の各農家は副業で育てているコメなども塩害のため栽培できず、少なくとも1年間は収入源を絶たれる。藤井組合長は「1年で土壌が回復する保証もない。これからどうすればいいのか」と途方に暮れていた。』
● 関連記事:
4月26日の日本農業新聞
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=6047
http://twitter.com/#!/genchan1869/status/62691056428388352

4月28日のヤフーニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110428-00000019-khk-l04
「他の作物が駄目になったのに、カーネーションは枯れなかった。こんなに強い花とは思わなかった」と菅井さん。その強い生命力に励まされ、マイナスからの再出発を誓う。」

● 国産まるかじりネットの記事
http://ameblo.jp/kokusan-marukajiri/entry-10861336468.html

○ 母の日にカーネーション贈ろう!→被災農家を激励→地域復興後押し!

東日本大震災の影響で、婚礼など祝い事の中止・延期をする人が増えています。華やかな場面を演出する花の需要は、世間の自粛ムードの影響もあり低迷しています。
先日、取材でカーネーションを生産する茨城県の農家に会ったとき、「震災後は特に花が売れなくなっているようだ」と嘆いていました。県内には液状化現象で荒れた農地が多数あり、取材農家のハウスでも一部に被害が見られました。震度3以上の余震は毎日ある地域です。
このような環境の中でも「母の日」の出荷に合わせ、農家は懸命に花の管理をしていました。農家の心情を考えると、今年の「母の日」には花の需要が低迷から脱出してほしいと願うばかりです。
そのためには消費者の皆さん1人ひとりの思いが大切です。日ごろの感謝の気持ちを込め、ぜひ「母の日」にカーネーションを贈ってほしいものです。
花の小売店が集まる花キューピット協同組合が行った消費者アンケートでは、昨年の「母の日」に贈り物をした人は7割を超えましたが、その中で生花を使った人は4割に過ぎませんでした。「ブリザードフラワー」という枯れない花、洋菓子のケーキなど、生花に代わる贈り物の多様化が背景にありそうです。
実は、花は震災前から消費が低迷しており、あまり日持ちしないことが大きな理由として挙げられていました。しかし、花の業界でも改善が進んでいます。最近は「日持ち保証」を売りにしている農家や産地があり、日持ちの良い花を育成する研究も盛んです。
冒頭の茨城県の花農家は「多様な色があることが花の魅力だ」と語っていました。同じピンク色のカーネーションでも、品種によって濃い色や淡い色など様々です。
花を贈るときには、相手をイメージして花の色を選ぶのもいいですね。今年の「母の日」は5月8日。自粛せず、ぜひ、カーネーションを贈ってください。 (紫)

「国産まるかじりネット」 http://kokusan-marukajiri.net/

————————————————————–
□ 全国の産地の被災情報を仲卸会がまとめる 震災前の雪害や重油切れによる凍結の被害も
http://ffflower.jugem.jp/?eid=189

全国の仲卸で組織する花卸協会が市場に連絡を取り合って東北から関東にかけての産地の被災状況を調べた。非常に重要な仕事をされた。この情報をもとに、花屋さんはさまざまな支援や仕入れを検討できる。産地情報だけでなく、被災した花屋さんの情報も知りたい。では、緊急時のこのような仕事をどこがやればいいのか。全国的に影響が及ぶので、市場の団体なのか、仲卸なのか、花屋なのか、まず、そのあたりのところから将来に向けての対策が必要だ。
資料をランダムに読み込んでキーワードを下記にあげてみた。被害情報と「大丈夫」情報がとてもありがたい。震災の被害のほかにも、この冬の雪害や、新潟・長野など内陸部での被害があったり、燃料が供給されずに暖房が長けず、凍結させたり、停電による障害も出ていたりする。千葉県旭市の被害も大きい。津波による土地の塩害や液状化の問題など来年にかけて問題が残るものもありそうだ。また、原発の退避命令地域の問題などいまだに被害が続いている。
http://dl.dropbox.com/u/8221393/hisai-jyoho0418.htm

● 産地への関心、産地表記への動き

震災以後、被災地の商品への関心が高まり、産地表記への動きがつよまっている。大田花き磯村社長
http://www.otakaki.co.jp/blog/ceo/archives/2011/04/25.html

● 震災関連情報【花卉園芸新聞5月1日】

□ 千葉県の花き被害

同県農林水産部生産販売振興課園芸振興室によると、旭市では、ダリア、デルフィニューム、ガーベラ、ピンポンマム、洋らん等の切花2.5ヘクタールで、地震の停電により低温障害が発生した。
また、ベゴニア等のハウス2.5ヘクタールでは高設ベンチからの落下による花きの損傷被害が発生した。
成田市、八街市のハウス0.3ヘクタール、芝山町のサンダーソニア等の切花ハウスで、低温障害や落下による損壊が発生した。花き類の被害額は概算で8000万円にのぼる。
なお旭市では、津波や液状化により野菜や花きの施設が損壊し、被害額は野菜、花きを含め4億円を超えている。
現在、ベンチなどの設備は復旧が進んでいるものの、液状化の影響を受けているハウスでは、普及のめどが立っていないという。

□ 宮城県花卉商業協同組合

同組合によると、県沿岸地域の市町村では、流失や浸水等津波の直接的被害があったのは、約30軒。
また10軒ほどは現在でも避難生活を余儀なくされている。
内陸部の店舗では、地震の影響で壁面のひび割れや商品の落下があったが、その数はほぼ全店舗と言っていいほどの状況だった。営業ができなくなった店舗も数件あったが、交通機関の復旧に伴い、店舗の復旧も進んでいる。
組合は仙台市中央卸売市場花き部のセリ再開と同日3月23日に、業務を本格的に再開した。(4月19日取りまとめ)

————————————————————–
□ 花業界支援の広がり 花キューピット、オークネット、日比谷花壇【花卉園芸新聞5月1日】

花業界のさまざまなところで支援の輪が広がる。

□ 花キューピット、JFTD
日本最大の生花通信販売組織 花キューピットでは、3月11日に緊急対策本部を設置して会員店の安否等の情報収集にあたった。次の段階として災害義捐金の募集と地震関連の情報サイトを開設した。災害義捐金の口座も開設し組合員やメンバーのために役立てられる。3月22日の理事会では被災組合員への見舞金の支給も決定した。
□ オークネット
インターネットオークションのオークネットは、被災地および被災会員への支援活動を展開中。3月17日以降の各種オークションの手数料とチャリティ商品の売り上げに同社からの寄付金を合わせて日本赤十字社へ義捐金として寄贈。同時に被災会員へも見舞金を寄贈した。物資支援なども行った。
□ 日比谷花壇、イーフローラ
支援金サイト「絆の花」を開設。献花や花祭壇の提供を行う。
絆の花サイトhttp://kizuna.hibiyakadan.com/
献花と花祭壇の提供は、日比谷花壇、イーフローラ両者の、今年の母の日の売り上げの一部をもとに、被災した自治体で行われる慰霊祭、お別れ会などに献花・花祭壇を提供する。

————————————————————–
□ 「花の力プロジェクト」代表に金藤公夫氏 7月にイベントを企画

20人の発起人が呼びかけ、有志により活動がスタートした「花の力プロジェクト」。レン オークメイド氏と金藤公夫氏が宮城県石巻市桃生に花を持って現地を調査し、避難所でデモンストレーションを行った。その報告をもとに、母の日に花を被災地に届ける活動は見送ることになった。長期的な活動をするために組織を作り、活動の資金集めもおこなっていく。
http://blog.goo.ne.jp/koikeblog/e/e02b94d1a3c08170da115aa617e16507
参加申し込み、問い合わせ等は、事務局 chiealkemade@aurorajp.comまでメールを。会議議事録、会議の開催、スケジュールなどの情報を入手できる。また会費は年額一口1000円と決まった。
http://blog.goo.ne.jp/kyobashimasaru/e/3fef29ff58649fcfbf66f7a8158b198a
4月25日(月)に会議が行われ、このプロジェクトの代表に金藤公夫さんが推薦された。
7月16日(土)には、世田谷市場花き部でイベントを企画。レン オークメイドさんたちのデモンストレーションを予定。目的は「花の力プロジェクト」というボランティア組織の広報、会員募集、活動費集めとなる。

————————————————————–
□ 柳生真吾さんらの「スイセンプロジェクト」動き出す
http://suisen-project.com/

「八ヶ岳クラブ」や園芸に関する活動で知られる柳生真吾さんのスイセンプロジェクトが動き出している。スイセンは復興のシンボルになりつつある。
http://www.yatsugatake-club.com/cgi-bin/dayori/view.cgi?mode=detail&id=1&no=20110427161805&cateno=1-020
柳生さんのアイデアは、この秋に、被災地にたくさんの水仙の球根を植えてもらう、その花が来年の春に咲くことで元気になってもらいたい、ということ。また、全国でスイセンを庭に植えて、そこで開花した花を被災地に贈る、そんなことをさまざまに実現させていこうという呼びかけ。ツイッターやフェイスブックを使って精力的に声をかけている。

4月27日、天皇皇后両陛下が宮城の被災地、避難所を回られた。宮城の体育館では、自宅を津波で失った主婦の佐藤さんが自宅後に咲いていたスイセンを花束にして「このスイセンのようにがんばります」と皇后様に手渡した。両陛下は、「阪神淡路大震災直後に火災で壊滅した神戸市長田区に足を運ばれ、皇后さまはその日の朝に皇居で摘んだ17本のスイセンを手向けられた。(その後地元住民の提案でスイセンはドライフラワーとなり、市内で展示されている ※産経新聞)」というエピソードを佐藤さんが思い出してのことだという。被災地へのお見舞いは千葉県旭市(14日)、茨城県北茨城市(22日)に続いて3度目。(読売新聞28日)
http://mizunowoweblog2.seesaa.net/article/197859253.html
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0427/mai_110427_6288050992.html
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110427/imp11042721280002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110428/imp11042819470000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110429/imp11042922450002-n1.htm

————————————————————–
□ 尼崎の畑に花文字 福知山線脱線事故から6年
http://mainichi.jp/kansai/archive/news/2011/04/25/20110425ddn041040014000c.html

● 多くの犠牲者を出した福知山線の脱線事故から6年。毎年線路わきの畑で花文字を作る農家がいる。今年は白い大根の花で、「命」の文字。

● 慰霊祭の装花
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110425k0000e040047000c.html

————————————————————–
□ 「ひまわり」で土壌の浄化、「菜の花」を手にデモ行進 原発反対・復興のシンボルに
http://www.asahi.com/national/update/0424/TKY201104240173.html

不思議なことに二つとも黄色い花だ。黄色がいつか印象的な風景になるのかもしれない。
原発問題で「菜の花」や「ひまわり」が抗議や復興への希望の象徴になりつつある。

東京・渋谷で24日、「原子力から自然エネルギーに転換を」と訴えて、市民がパレードをした。福島第一原発の事故でエネルギー問題への関心が高まるなかでも市民デモ。
主催者によると、参加者は5千人。坂本龍一さんら著名人も賛同し、ネット上を中心に呼びかけが広がったという。集まった人たちは、チェルノブイリ原発事故で汚染された土壌の再生に使われているという菜の花を掲げたり、太鼓をたたいたりしながら、繁華街を練り歩いた。

■ 22日の読売新聞夕刊に、「ひまわりによる土壌の浄化」について動き始めているという記事が出ている。すでに種の確保に動いているという。育苗には神奈川県平塚市の農業高校が協力している。
ひまわりによって取り込ませることはいいが、そのあとの処分をどうするか、という問題がある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山下雅道専任教授らが取り組む「宇宙農業」の研究から微生物で体積を1%にするアイデアを提案されている。
http://surc.isas.jaxa.jp/space_agriculture/

※ひまわり作戦リーフレットPDFファイル
http://surc.isas.jaxa.jp/space_agriculture/Sunflower/Himawari_Leaflet.pdf
「収穫したヒマワリは、焼却処分すると煙が出て放射性物質が拡散する恐れがあるため、堆肥作りに利用されている「高温好気堆肥菌」でヒマワリを分解させる計画だ。この菌による分解で、ヒマワリの体積は1%程度になり、放射性廃棄物の量を減らすことができる。」
「種300キログラムはすでに確保し、世界的な生産地であるタイにも協力を打診。同原発の半径30キロメートル圏周辺の高校を中心に植えてもらう予定で、各高校の最寄りの小中学校や住民にも協力を呼びかけている。福島県外では神奈川県立平塚農高が苗を育ててくれる。」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110422-OYT1T00602.htm
http://sunshine11.blog9.fc2.com/blog-entry-105.html

■ リード商事の「ヒマワリ プロジェクト」はメッセージ付きの種袋で支援
http://blog.leadshoji.co.jp/?eid=145871
http://twitter.com/#!/ariagold/status/64325170873114625
http://rambsear.exblog.jp/14589437/
http://blog.leadshoji.co.jp/?eid=146820
http://blog.leadshoji.co.jp/?eid=147071
http://ameblo.jp/futurestyle/entry-10873936371.html

————————————————————–
□ 日経新聞「春秋」コラムに輸入の菊の話

5月2日の日経朝刊「春秋」コラムに菊の話が載っている。調べたことと推測の混ざった複雑な印象。

『 何気なく貿易統計をながめていて、気がついた。3月の農産物の輸入を示す欄の中に、目を疑う勢いで増えている品目がある。数量でも金額でも前月の倍以上だ。さかのぼって調べると、過去最高の記録だった。切り花の「菊」である。
▼ 菊の需要が、東北地方で高まっているそうだ。花の卸売市場で働く知人が教えてくれた。白い菊の束をのせた箱が、競り場にコンベヤーで運ばれると、瞬く間に買い手がつくという。その行き先の情景が、まぶたに浮かぶ。万という単位の命がなくなり、その何倍もの本数の菊の花が、急ぐように消費されている。
▼ 消費の裏側には供給がある。日本に菊を最も多く輸出するのはマレーシアだ。常夏の国では年に4回も収穫できる。工場さながらの大型ハウスで働く労働者は、バングラデシュなど貧しい国の人が多いと聞く。彼らも日本の映像を見ているだろう。自分たちが育てた花が、何に使われるかを知っているに違いない。
▼ 南洋から日本へと連なる太い貿易の道がある。見知らぬ人々の鎮魂の思いをのせた品々が、運ばれてくる。悲劇のさなかでも、国境をまたぐ経済は淡々と回り続ける。復興を進めるためにも、その経済の営みを減速させてはなるまい。自粛などと考えずに、買い物や旅行に動き回りたい。大型連休の後半が始まる。』

————————————————————–
□ 市場も節電を 夏に臨時休業増案 東京都中央卸売市場の一部卸で

東京都中央卸売市場 夏節電で臨時休業増案 一部卸が月2、3日検討 【日経新聞4月29日】

『生鮮食品を扱う東京都中央卸売市場で、夏の節電策として臨時休業日を増やす案が浮上している。青果や花を扱う一部の卸会社が6~9月の間、休業日を月に2、3日増やす検討を始めた。週休2日に近い形となるが、水産卸などには異論も出ている。
東京都は条例に基づいて、大田、築地など11市場で日曜日以外に臨時休業日を設けている。休暇取得推進や祝日開場の代替が目的だ。2011年度は年間に青果物25日、水産物24日などと設定した。休場日を増やすには都と市場関係者で組織する協議会で審議する必要がある。
ただ電力使用量が大きい昼の節電には結びつきにくいとの慎重論もある。水産卸関係者は「休業よりも取引時間の見直しが有効」と指摘する。
築地市場では震災後、セリ場の照明を減らすなどして13%ほど節電効果を上げた。冷蔵庫の効率利用などで対応できるとの声もある。』

————————————————————–
□ 花を売ることとは、どういうことか。岐阜大学福井先生
http://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/0713.html#110424

できることをやりきれているか。やるべきことをやっているか。【 私は、「花き園芸というのは感動と満足を提供する産業」だと考えます。】

————————————————————–
□ 「アグリ・ヘルス」という目新しい言葉を知っていますか?

農水省が今年から予算を組んで進める「アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト」というものがある。

http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2009001083&category=4
『バイオ技術などを使って健康・医療分野に農林水産物を生かそうという考え方。農林水産大臣の石破茂が農業や農村の潜在力を使った成長戦略案の一つとして提案している。遺伝子組み換え技術をカイコに使って移植用の人工血管を作ったり、血圧や中性脂肪を抑える健康に良いコメや花粉症の影響を抑えるコメを開発し、それらを産業として成り立たせようというものである。バイオ燃料の普及などとあわせて、農林水産業を基盤とした6兆円規模の新産業の創出を目指している。』

バイオ技術や今、注目されている植物工場などの技術と健康・医療をマッチングしていくという大きな動き。化粧品等で多くな分野になっているように、植物の力もさまざまに応用されていくことが見込まれている。6兆円規模の産業育成を目指すということなので、今後も注目したい。

http://www.leaps.jp/?p=1308

アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト
http://www.s.affrc.go.jp/docs/project/2010/project2010.htm
http://www.maff.go.jp/j/aid/hozyo/2011/gijyutu/pdf/11.pdf
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/29837

————————————————————–
□ 農業高校の未来は日本の農業の未来 農業高校で少人数ゼミ 【4月25日日経新聞】

※次世代を担う若い人たちが、将来に希望を持って農業を選択し、農業高校に行ったら、「農業高校なんて行ったら大学に進学できないぞ」と言われるのが今の日本の現状です。

農業高校で少人数ゼミ 復権へカリキュラム変更 大学進学にも成果 京都府立桂高校教諭 片山一平氏
学年・学科超え、新技術研究  【4月25日日経新聞】

『京都府立桂高等学校(竹内英男校長)の専門学科は、大学のゼミ形式の科目を導入、全国の農業高校・学科(以下、農業高校)の中で高い評価を得ている。“農業高校復権”に取り組む片山一平教諭に寄稿してもらった。
桂高校は桂離宮から徒歩20分ほどの場所にあり、普通科と専門学科(植物クリエイト科、園芸ビジネス科)を併置する。私は桂高校専門学科出身で、大学卒業後、母校に25年勤務している。

普通科志向高く

農業高校の多くは戦前からの伝統を誇るが、戦後、特にこの40年は苦難の歴史の連続だった。普通科志向が高まる一方で、職業(専門)高校・学科離れが進み、1955年度には全高校生の7.8%が農業高校生だったが、75年度は4.5%、95年度は2.8%、2010年度は2.6%に低下した。
では、農業を学ぶ価値は無くなったのだろうか? 決してそうではない。食料自給率の問題や、地産地消運動、食の安全性、環太平洋経済連携協定(TPP)を含む農産物の国際化・環境問題など、農業への期待と関心は高まっている。
にもかかわらず農業高校離れが進んだ大きな原因は大学進学率の上昇である。私自身の経験を言えば、中学の早い段階で桂高校を志望すると決めていた。自分の農場を持ち直営レストランを開きたいという夢があったからだ。だが進路相談で担任が発した一言に、母は涙ぐんだ。「桂高校へ行ったら、大学はあきらめなあかんな!」
この一言が、農業高校が抱える問題を象徴する。農業高校へ行ったら大学へは行けない。農家の跡継ぎであっても大学へは行きたいので、普通科へ進む。そういう流れが70年代にはでき上がった。その後も大学・短大・専門学校への進学率は上昇を続け、今や大学進学率は50%超。専門学校・短大を含めると80%近い高校生が進学する。進学に不利というイメージが定着した農業高校が苦戦するのも当然だ。
そこで、私たちは農業高校のイメージを根本から変えるカリキュラムを考えた。TAFF(トレーニング・イン・アグリカルチャー・フォア・フューチャー・ファーマーズ)は、06年度に文部科学省の「目指せスペシャリスト」の指定を受け、07年度から3年間実施されたカリキュラムで、現在も継続している。
TAFFの特徴は、大学の少人数ゼミ教育を導入した点だ。専門学科の12人の教員が、少人数のゼミ講座を開き、植物クリエイト科と園芸ビジネス科の2・3年生に学年学科の枠を超えて選ばせる。

先輩から後輩へ

ゼミは短い期間で研究を結実させるのではなく、数年先を見据えた目標を掲げ教育・研究活動を進める。生徒の研究期間は2年間だが、毎年新しい生徒が入って来るので、研究は駅伝のように後輩へ引き継がれる。3年生は、毎年何らかの形で研究成果の発表が義務付けられており、継続研究の中で成果が上がった部分を自分の研究の区切りとして発表する。1つのテーマを先輩から後輩へと引き継ぐことで、学年の枠も3年間という高校の枠も超えた学習が可能になった。
例えば、私のゼミ「地球を守る新技術の開発」研究班は、日本古来の自生植物ノシバを研究材料に取り上げ、植物の特徴を利用した屋上緑化システムの開発と、ノシバの自生地保護技術の開発を中心に研究している。
屋上緑化システムの開発は、土壌を使わなくても育つノシバの性質に着目した。屋上緑化は二酸化炭素(CO2)の削減につながるが、屋上で重い土壌を使うことは、コストやメンテナンス、安全性などの課題が多い。生徒たちはノシバの自生環境を調査し、土壌不要の軽量な緑化システムを実現した。菌根菌を利用し少量の水で生存できるノシバの特質を生かし、通常の2分の1の水で屋上緑化が維持できる。
ノシバの自生地保護技術では、通常では発芽しにくいノシバの、発芽率を高めた種子を用いたマット製作技術を開発し、奈良市・奈良公園内の若草山頂上部にある前方後円墳「鶯塚古墳」の芝地復元と崩落防止に取り組んでいる。
研究には、前例も教科書もない。ゼミ生と一緒になって温暖化の抑制や草原の必要性などを一から学び、疑問や問題点を一つ一つ解決し積み重ねていくしかない。
こうした研究は、一見農業とかけ離れているようだが、そうではない。農業の学習は、穀物や野菜、花、畜産、土木、機械、環境、バイオなど、動植物の育て方や加工・利用まで幅広い分野が含まれるからだ。
理数系教育を重視した高校ではスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)が有名で人気が高いが、農業高校もそれに近い教育をしており、分野によっては、より具体的で理解しやすいといえるかもしれない。

見えてくる目標

TAFFを導入してから、将来の目標を明確に持てる生徒が増えた。「ストックホルム青少年水大賞」などの国際舞台も含め、内外の科学コンテストや研究発表会で高い評価を得て、生徒の自信が深まった。
懸案の大学進学でも成果が出つつある。ここ数年、1学年の生徒80人のうち5人から7人程度が国公立大学へ進んでいる。私大の環境学部への進学者も増えている。
もっとも社会の認知度はまだ低く、体験入学で初めて現状を知る中学生が圧倒的だ。それでも府内でトップ層の成績の中学生が、明確な目的意識を持って入学し、教員を感激させたこともある。
OBの評価も変わってきた。「昔は桂高校園芸科出身て言えへんかったけれど、最近は、すごい学校出てるやんって言われ、うれしくなる」「私も息子も桂高校出身だが、孫は入れたくないって思っていた。でも、今年、母校で生徒たちのキラキラした目を見て、孫にも入ってほしいと思う」――。最近、こんな話を聞くようになった。
職業学科高校には多くの可能性があり、若者に考える力が求められる現代にこそ必要な学校だと確信する。生徒数の減少を食い止め活性化させるには、多大の時間と労力、意欲が必要だ。桂高校の挑戦が参考になればうれしい。』

————————————————————–
□ 「ゴッホのチューリップ」ってどんな花ですか?

オランダ国際球根協会のニュースレター4月号に「ビンセント・ファン・ゴッホ」という名前のチューリップが誕生したというニュースが載っている。
http://www.kyukon.info/newsletter.html
「ビンセント・ファン・ゴッホ」は、素敵な赤茶色でフリンジタイプ、花が咲くと高さがおよそ 50~60cmになります。J.Sペニング・デ・ブリット社によると切花栽培用としてよりガーデニング用(ドライセール用)として大変優れた品種とのこと。

ゴッホ美術館HP
http://www.vangoghmuseum.nl/vgm/index.jsp?lang=en

————————————————————–
□ 桜守 佐野藤右衛門さんの本「桜のいのち庭のこころ」
http://amzn.to/iT1ik0

産経新聞で造園家であり、桜守の十六代目佐野藤右衛門さんの連載があった。
佐野さんに関する本は2冊ある。「桜のいのち庭のこころ」(1998年草思社)と「櫻よ―「花見の作法」から「木のこころ」まで」(2001年集英社)。いずれも、京都言葉の語り口調のまま書かれていてとても読みやすい。「桜のいのち・・・」の方は日経新聞の連載と同じような自伝的な部分も含め、庭づくりの部分も多くのページを割いて話されている。連載の中で桜の「根接ぎ」という佐野さんが桜を継ぐときに多く用いる方法が写真付きで詳しく説明されている。台木はヤマザクラかオオシマザクラを使うが佐野さんはオオシマザクラを中心に使っているという。
「櫻よ・・・」は、佐野さんが全国の桜の銘木を回りながら話されたことをまとめた聞き書き。佐野さんの味のある語り口に自然と引き込まれ、経験やプロフェッショナルとなにかを考えるヒントになる。
佐野さんの話を読むと、ソメイヨシノだけが桜ではない、桜には多様な品種と姿がある。もっと、全国各地にある個性的な桜にも目を向けなければと思う。
http://kikomukumamani.at.webry.info/200610/article_1.html

————————————————————–
□ 元キャンディーズの田中好子さんが21日に死去 葬儀が行われる

1970年代の高度成長期に一世を風びしたグループ、キャンディーズのメンバーで、解散後は女優として活躍した田中好子さんが21日、乳がんのため、亡くなった。55歳だった。葬儀・告別式が25日、東京の青山斎場で営まれた。祭壇は花いっぱいに飾られた。会場では本人の最後の肉声がテープで流され参列者のあらたな涙を誘ったという。火葬場へ向かう車には紙テープが舞い、早すぎる死を惜しむ人に見送られた。
http://blogs.yahoo.co.jp/masonry666to/24941938.html

献花台にも大きな写真と花
http://mainichi.jp/select/person/news/20110425k0000e040066000c.html
http://npn.co.jp/article/detail/81153869/
※最後の肉声が葬儀で流された。田中好子さんのように自分の死と向き合えるでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=tOBJUcTRLIM

————————————————————–
□ マンガ「園芸少年」(森永あい)コミックスで発売 おススメです

魚住直子さんの小説「園芸少年」(2009年)http://amzn.to/hr92oP をマンガ化した 森永あいさんの「園芸少年」がコミックスになって発売されている。
http://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/1000005474

3人の男子高校生が、生まれて初めて植物を育て、成長していくとてもシンプルでまっすぐな展開がさわやかな気持ちにさせてくれる。若い人にぜひ読んでもらいたいコミックス。原作に忠実に描かれている。

————————————————————–
□ 若い農業者と生活者を結ぶ雑誌「アグリズム」休刊へ
http://www.agrizm.jp/order/

「ファーム・コミュニケーション」を掲げ、30代以下の若い農業者と生活者を結ぶ新感覚の農業雑誌「アグリズム」が休刊になった。約2年ほどの活動、デザインの走ったユニークな紙面が新しかった。花についての記事もたびたび掲載された。
http://tf.digital-dime.com/pr_release/individual/index.php?fn=000000007.000001539
アグリズムの記事は一部、月刊「農業経営者」に引き継がれる。

————————————————————–
□ 新潟県 球根卸 株式会社東樹園 倒産し任意整理へ
http://www.tojuen.co.jp/

任意整理へ 負債額3.5億円
http://blogs.yahoo.co.jp/ogatamasa2009/3406877.html
http://002tousan.seesaa.net/article/197856033.html

昨年末で楽天、ヤフーサイトを閉鎖
http://twitter.com/#!/uesugit/status/20671066884014080
任意整理とは
http://www.cooling-off.biz/nini/

岐阜大学福井先生の過去のレポート
http://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/03-1-080.html

====================================================================
■ 配信先メールアドレス変更&配信停止は、
お手数ですが、 < greenwingsjapan@gmail.com >までご連絡ください。
====================================================================
■ このNews letterは、すべて新聞・雑誌・ウェブなどで公開されている情報をもとに制作しています。
■ 本ニュースレターに関するご意見、ご要望等ございましたら、下記までご連絡お願いいたします。
e-mail to:greenwingsjapan@gmail.com
====================================================================
■ 編集後記
○ エネルギーをどんなふうに使って新しいライフスタイルを見つけていくのか、ビジネス面からも文化面からもさまざまな模索が始まっています。今回のニュースで取り上げた70年前の園芸書は暖房をたかなくても誰でもできる花作りを丁寧にすすめています。これからも温故知新で少し考えてみたいと思います。暮らしの楽しみ方なら冷暖房のなかった江戸の人々にならって物見遊山も真似てみたいと思います。
○ 取って置きの情報・感想メールをお待ちしています。< greenwingsjapan@gmail.com >
====================================================================
メールマガジン << グリーンウイングスジャパン・ニューズレター >>
[発行] 株式会社グリーンウイングスジャパン
Copyright (c) 2011  All rights reserved. 許可無く転送・転載することを禁じます。
====================================================================